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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ +



それから一週間後。私はとある屋敷の前に立っている所だ。
表札には【宇髄】の二文字。

ふう、と息を整えていると、何の前触れもなく門扉が開き、私は声を出す間も無く体がビクッと震えてしまった。

「七瀬ちゃん、いらっしゃい。待ってたわよ」
「あ……雛鶴、さん。こんにちは…私が来たってよくわかりましたね」

ふふっと綺麗な顔で含み笑いをする彼女は、何だかとっても楽しそうだ。雛鶴さんはいつも落ち着いているから、珍しい。

「さっきまで居間にいたの。そしたら天元様がね、この心音は七瀬ちゃんだって」
「…流石ですね、宇髄さん」

私は宇髄さんと合同任務をした事が多くないから、普段の気軽に話しかけてくれる彼しか知らない。
でもやっぱりこう言う話を聞くと、凄い人なんだなあと思う。

だって門扉から玄関に行くまでの距離は、少なくとも十メートルは離れているはずだから。

「先日の手紙が届いた後から、七瀬ちゃんが今日来るのを皆んな楽しみにしていたの」

「あはは……そうなんですね。嬉しいけど少し恥ずかしいです」

なるほど、これか。雛鶴さんがずっと楽しそうにしている理由は。


【宇髄天元 様

沢渡です。日々の任務、お疲れ様です。突然のお手紙失礼致します。
宇髄さんとお嫁さん達にご相談したい事があって……先日杏寿郎さんと ——— 】


そう、私はあの夜の事を相談しに来たのだ。

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