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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ +





「おはよう、七瀬!朝稽古をやるぞ!」

心地の良い眠りは急に終わりが訪れる。
朝がやって来たからだ。私は大きすぎる声を発する恋人によって、起こされる。

夜はあんなに艶っぽくて心臓が破裂するぐらいドキドキするのになあ。日中の彼の声は全然違って、溌剌で元気いっぱいなんだよね。
もちろんこっちも好きだけど。


「んん、杏寿郎さん、腰が辛いです……」

昨晩の甘い時間の代償で、私の腰は鉛が入っているのではないかと言うぐらいに重だるい。新しい事も試したしね。

「すまない、それは本当に申し訳ないとしか言えないが…」

腰をゆっくりと撫でていると、上から降って来るのは彼の申し訳なさそうな声。あ、もしかして稽古開始を遅くしてくれるとか?
微かな期待を胸の中で膨らませていると、左頬がするりと撫でられ、小さな口付けが一回届く。

目覚めの口付け、嬉しいな。

「しかし、稽古は別だ。鬼殺は待ってはくれない!」
「ええ……」

はあ、やっぱり切り替えがはっきりしている杏寿郎さんに限ってそんな事なかったか。柱の体力ってホント底なし!! しぶしぶながら体を起こし、私は身支度をした。




「杏寿郎さん……」
「どうした?」
「稽古で出来ない事は実践では出来ない。ではなかったのですか?」

朝稽古が全て終わり、私は腰の柔軟を続けながら彼に問いかけた。
一瞬だけきょとんとした杏寿郎さんだけど、捌ノ型の事かと返答する恋人は相変わらず察しが良い。


「さすがですね……昨日捌ノ型は初めて見たはずです。なのに何故初見だけで杏寿郎さんは出来たんですか?」

「うむ! 一言で言ってしまえば、例外だな!」
「え?例外?」

例外……って何なんだろう。
脳内を疑問符がぷかぷか浮かぶ中、首を傾げて聞き返すと「捌ノ型は玖ノ型に繋がる型だろう?」と推測する彼である。


「あの一瞬でそこまで把握を??」

「煉獄と同じように捌ノ型は炎の龍の斬撃だった。なるほど、と即座に思ってな。恐らく型の出し方は似ているだろうと判断した」


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