第46章 八雲心炎、燃ゆる立つ
「3本目始め——!」
七瀬は闘気を可能な限り高めた後、呼吸を整える。
「壱ノ型・改」
「不知火・連」
そして左右に一閃する、不知火の連撃を放った。
「—— 肆ノ型 盛炎のうねり」
杏寿郎は渦巻く炎を壁のように放ち、壱ノ型の改を吸収すると、陸ノ型を出した。
わずかな助走だけで地を蹴り、弓を引くような構えをする。
「陸ノ型 —— 心炎突輪」
右手に持った木刀から、素早く繰り出される紅蓮を纏った炎の突きに対し———
『速さと威力が初めて見た時より上がってる…!凄いな』
「水の呼吸 ・参ノ型 —— 流流舞い!」
呼吸を炎から水に変え、突きをかわすとそのまま連続攻撃。
「速さはまだまだだな」
突然間合いに現れる杏寿郎。
「んっ…」
カンカン— !またも重く速い太刀が七瀬の目の前に一瞬でやって来た。
カン、カン、カン…と受けては流して行くが、いかんせんギリギリの所での対応だ。
『一旦はじいて……うわっ…』
上段から振り下ろされる木刀を何とか受け流し、彼女は後ろに飛んだ。杏寿郎が木刀を右斜め後ろに振りかぶる。
『…炎虎だ…!』
「——— 伍ノ型!!」
師範から放たれる大きく、紅い虎が再び自分目がけてやって来た。
『虎……虎には……よし、これだ!!』