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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第45章 ヒノカミのち、蝶屋敷 +


「お疲れさま。はい、これ」
「ありがとな」

私は一緒に手合わせをしていた炭治郎に手拭いを渡した。カナヲと会い、善逸と墓地で会った後、2週間が経過した。

2人で縁側に座る。初夏の太陽がこちらを力強く照らしている。

「もうすぐ梅雨に入るね」
「……そうだな」

「…………カナヲとね、先日会ったよ」
「え………そうなのか?」
うん、と一つ頷いた私は彼にこう続けた。

「自信がないって言ってた。嫌われたらどうしようって」
「……嫌うわけない」

「だよね。炭治郎はそう言うと思ったよ。でもね、女にとって”初めて”って言うのは本当に本当に色々考えるし、緊張するんだよ」


そう、カナヲが私に相談したかった事は…”体の繋がり”について。


「七瀬も…いや、なんでもない」
炭治郎は少し顔を赤くしながらそっぽを向いた。

「うん、もうね…これ以上ないってぐらい緊張したよ。何か恥ずかしいね」

こんな事を話せるのは隊士になる前から知っている彼だけだろうな。照れながら笑った私は、ちょっとごめんねと炭治郎に断り、以前使用していたよく知っている台所へ向かう。




「はい、お茶と甘味。私の好物で申し訳ないんだけど」
おぼんの上に冷たい麦茶と切り分けたカステラを手に再び炭治郎の隣に座る。

「伊之助、本当にこれ気に入っててさ。結構な割合でうちに置いてあるぞ。高いのにな」


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