第7章 転変の夜 ✴︎✴︎
「いただきます!」
ちゃぶ台に所狭しと並ぶ食事の数々。
白いご飯、赤魚の甘辛煮、きゅうりのお漬物にだご汁。だご汁とは九州地方の郷土料理の事だ。
母が九州出身だったのでよく作ってくれていた。なのでこの家では味噌汁の代わりとして出す事が多い。
その料理を食しているのは私を含めて4人。
1人目は竈門炭治郎。私と師匠、兄弟子が同じ。炭治郎は怒らせると普段優しい分、怖い。そして鬼にさえ効いた頭突き……。
これ、最強なんじゃない?
“触らぬ炭治郎のおでこに祟りなし”私は彼をそう評している。
炭治郎は絶対怒らせたらダメ。
「善逸、伊之助、漬物もちゃんと食べないと駄目だぞ!」
2人目。我妻善逸。
蝶屋敷にお見舞いに来てくれた隊士。いつもビクビクへっぴり腰の善逸。でも彼は気絶した時にその才覚を発揮する。巧も舌を巻いていた壱ノ型の霹靂一閃。起きてる時に見れるのはいつになるのやら?
通り名を名付けるなら…… “眠りの善逸、ここにあり”
「ふあ…これから任務なのに、たくさん食べちゃって眠い…」
3人目。嘴平伊之助。私のカステラを食べた張本人。
猪の被りものを身にまとい、猪の如く突き進む。今日も元気に鬼を狩るんだろうなあ…。
「おい!だご汁、もっと寄越せ!!」
“猪突猛進、猪突猛進”
伊之助ーちゃんと前だけじゃなくて、後ろと左右も見てよ??
この実に賑やかな3人は私の一期下に当たります。
更にもう1人……。
竈門禰󠄀豆子。
炭治郎の一つ下の妹。鬼になってしまったのだけど、鱗滝さんの暗示のお陰で今まで一回も人を喰った事がない。
禰󠄀豆子はねぇ…もう目に入れても痛くない可愛さ。
孫を可愛がるおじいちゃんおばあちゃんの気持ちがよくわかるかも。
「むーん」と声を出すと、自然に頭撫でちゃう。とにかくかわいい!大好き。