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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第38章 よもやのわらび餅



「大好きな杏寿郎さんと同じ呼吸が使えている事も、誇らしいですよ」

……と私が伝えれば。


「先に帰宅した方が相手の部屋に行って、帰りを待っておく事」

………と気持ちが跳ね上がるような事を言われた。



この夜は私の方が遅く帰宅。急いで部屋に戻ると杏寿郎さんが待っててくれた。

「ただいま帰りました…」
「お帰り、七瀬」


“おいで”と優しく手招きされたので、私は彼をぎゅっ…と抱きしめた。顔を上げれば、とても柔らかい表情をした杏寿郎さんから口付けが降って来る。
ここから彼の想いと私の想いを重ね合わせる濃密な時間の始まり。


気持ちをたくさん口付けに乗せ、体をしっかりと結び、恋人との大切な時間を丁寧に過ごしていく。


あなたに「大好き」を何回伝えても足りない。
あなたに「大好きだ」と何回言われても足りない。


情熱的な緋色を爪に載せた為か、この日の私はいつもより欲張りだった。


——— お互い、湯浴みが出来たのは次の日の早朝。



これは”よもや”ではなく、”予定通り”の結末だ。



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