第36章 3日分の炎 ✳︎✳︎ ＋

「本当なのだな」

「えっ……あ……」


てらてらと液で光っている二本の指を彼女に見せた後、七瀬の顔が赤く染まる。先程は舐めたが、今回はさてどうするか。逡巡したのはほんの数秒。


「ここにこうしてみよう」

「やっ…それダメ……」

「君のダメは”いい”だからな」


愛液を両方の尖りにそれぞれ塗りつけると、丸い二つの実は熟した果物のように潤った。
自分の喉がゴクリと嚥下する。俺は遠慮なく舌を絡め、口で吸い上げ、指での愛撫を施した。

七瀬の甘くて、蕩ける啼き声は何度耳にしても飽きない物だ。一つになった状態で体に触れると、よりそれを実感する。


再びとろけた恋人の顎を掴み、口付けを贈っていくと結合部からは洪水のように次から次へ溢れて来る甘味のような液。


「はあ……杏寿ろ、さん……」

「どうした？ 七瀬…」

両頬を掌で柔らかく挟むと、焦茶色の双眸の奥には自分を求める欲が強く浮かんでいる。
君のしたい事はわかってはいるが……やはり言葉に出して欲しい。


「言ってくれないと俺はわからないぞ？」

ちう……と桃色の唇を吸い上げると、まいったと言わんばかりの表情をする七瀬は、ふうと深い息を吐くと ———


「このままでも……凄く気持ち良いけど……」

「ああ、俺も大層気持ちよいぞ」


顔から手を離し、腰から脇を撫であげてみると、ビクッと体を震わせる恋人だ。


「動いても良い、ですか？」

「無論だ。是非そうして欲しい」

「ふふ、わかりました」

口付けを一つくれた君はそうして腰を揺らし始め ——











「杏寿郎さん、私凄く困ってるんですけど……」

「ん？ 困ってるとは何だ？ 詳しく聞かせてくれ」