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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第34章 岩柱・悲鳴嶼行冥 +





「多忙な中の訪問、感謝する…気をつけて行きなさい。南無」

「煉獄さん、俺からもお礼を言わせて下さい。ありがとうございます…」

「構わん! では少年、これは確かに預かった!」

岩柱とその弟子が共に炎柱へ礼を伝えた後、彼は今しがた玄弥から受け取った物を隊服の上から確認し、笑顔で去って行った。


「悲鳴嶼さん」

「どうした? 玄弥」

「いや、俺ももっと強くなりたいです」

「そうか…」

「はい!」













【沢渡七瀬 様

お疲れ、怪我してないよな? お前何だ、あの手紙。思わず筆を持っちまったじゃねーか】


次の日の早朝、七瀬は任務より帰宅した。
自室に入り、湯浴みをしに行こう。そう考えていると、文机の上に置いてある文に目が留まり、中身を確認していた所だ。
杏寿郎が玄弥よりことづかった手紙である。


『玄弥の言う通りだなあ。どうしても伝えたくて、筆を取ったんだけど…冷静になるとかなり恥ずかしいや』


【でもお前が思わず惚気ちまうぐらい、良い柱なんだって言うのは俺もよくわかった。弟子の俺らは師匠の背中をひたすら追いかけていくのみだぜ。たとえそこに届かなくても、追いつきたいって気持ちが一番大事なんじゃねーの】


『ははー…』

一つ下の後輩隊士のしっかりした考えに七瀬は思わず、文を両手で持ち上げながら頭を下げる。


『追いかけていく気持ち、か…』


炎の継子は文をたたんで文机に置くと、湯浴みに向かうべく自室を出た。廊下を歩き、浴室に向かっていると目の前から歩いて来たのは千寿郎だ。


「お帰りなさい、帰っていたんですね。ご無事のお戻り何よりです」

「ありがとう、湯浴み終わったら朝食のお手伝いするね」



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