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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第31章 風を知り、岩を知り、そして全呼吸の理(ことわり)を知る




「1週間…いや、3日だね。3日続けば良い方だって言われていた杏寿郎さんの稽古にも必死でついていってたらね…」

私は玄弥の方に顔を向ける。


「炎の呼吸の改が2つ編み出せたし、継子になって10ヶ月経った。そしたら私に色々言ってた人達も、何も言わなくなったよ」

「そっか……」
「うん」
「………」
「………」


「その力を大事にしていけば良いんじゃないかな。玄弥にしか出来ない事だし」
「……」


「きっとあなたの大事な人を助ける事が出来る能力だよ」
「大事な人…」
彼は自分の右手をギュッ…と握った。


「………すげぇ、頭ん中すっきりした気する。ありがとな」

うん、と頷いた私は手ぬぐいで両手を拭いて、食器棚に食器を取りに行き、炊き込みご飯が炊けるのを玄弥と2人で待つ。


「師匠が偉大だとさあ、弟子は大変だよね」
「だな……」

「それでも頑張ろう?自分が出来る事から少しずつ」
「おう」

玄弥はニッと歯を見せると、これまたお兄さんにそっくりな笑顔を見せてくれた。








それから1時間後。悲鳴嶼さんが滝行から帰って来たので、客間に昼食を運んで3人で食べ始めた。


「今日の炊き込みご飯は一層美味しい」

悲鳴嶼さんはとても嬉しそうに、頬張っていた。



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