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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第30章 可愛いとかわいい ✳︎✳︎ +




「本当に恥ずかしいから……控えて下さい」

「う、む…君はそう言うが」


唇に乳房、尻に足首。それから俺と七瀬を一つに繋ぐ、結合部となる秘所。
改めて指で撫でるように辿れば、彼女の機嫌は元に戻る。


「恥ずかしい事はもうとうにしているぞ?」

「うー、杏寿郎さんには敵いません」

「そうだろうか」

「はい…敵いません」


またかわいい事を言う恋人だ。さて、二度もこちらの頼みを無理に聞いてもらった。
七瀬の希望も聞かねば。すると返って来た応えは……


「良いのか? いつもと同じで」

「はい……さっきの二回も普段と全然違って新鮮だったし、気持ち良かったけど、私はいつもの杏寿郎さんとの触れ合いが大好きだから」

「承知した」

「んっ」


左頬を柔らかく包み、撫でながらの口付け。二つの膨らみをゆっくりと揉みしだき、桃色に色づいた先端の尖りを指で愛撫する。
とろとろと秘所から流れ出る蜜を味わい、己の昂りをそこへ侵入させる ————
















「とても気持ち良かったです……」

「俺もだ」


この日三回目の情事は、彼女の希望で普段通りのまぐわいをした。
たまに刺激を求めるのも良いが、結局は普段と同じ事にほっとするのかもしれんな。
しかし……


「七瀬、毎回でなくて良い。また違った君を見たいから…」


“ 他の体位もやってみよう”


耳元で呟けば、すぐにカアッと顔を赤くする君。二人でしばし体を寄せ合い、小さな愛撫をたくさんする。
何気ない会話を交わして、何でもない事で笑い合う。


七瀬と恋仲になって感じる、些細な出来事をこれからも少しずつ少しずつ積み上げていけたら。


「杏寿郎さん」

「どうした?」

「大好きです」

「ありがとう」


君が俺を好きだと言う度に、俺は君が好きになる。


「七瀬、俺も君が大好きだ」


君を好きだと言う度に、君も俺を思ってほしい。
ささやかながらも、やや利己的でもある己の願いを込め、また恋人の唇に口付けを贈る。

そうして —— 愛しい彼女を自分の腕の中にぎゅうっと抱き寄せた。







✳︎杏寿郎から見た景色✳︎
〜終わり〜


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