第30章 可愛いとかわいい ✳︎✳︎ +
グチュ、ヌチャとくぐもった水音を聞く度に、己の肉棒が大きくなる。
背中と腰には恋人の両手と両足が絡みついており、自分は彼女の腰を両手でガシッと掴み、互いの体を打ちつけあう。
「はっ、七瀬…気持ちいい、ぞ」
「ん、良かっ…ふう、った! ああ、ん!! 」
肉棒に膣壁がいつも以上に絡みつき、気をやるのが近くなって来る。予想以上に締め付けが良く、それでいて脳天に響く快楽もある。
「んっ、はあ、共に……果てよう…」
「は、い! ああ、そこ良すぎ、で……」
「ああ、俺も…んっ、ここが好き…だ……!! 」
ズルっと昂りを彼女の中から出した後、七瀬の両手と両足もするりと外された。
勢いよく布団に落ちないよう、腰をしっかりと掴んだ俺はいつも欲を吐き出す位置よりやや高い場所で、白濁を放つ。
二回、三回と白く濁ったそれは、みぞおちと乳房の間に小さな泉が湧き出たように鎮座している。
「はあっ、はあっ…杏寿ろ、さん」
「ああ、……どうした」
恋人の体をゆっくりと布団に降ろすと、右手を伸ばして来たので自分の左手と絡めてやる。
「いつも…あなたと繋がるのって……本当に、はあ……」
「少し呼吸を整えた方が良い。その間に俺はこれを拭こう」
「はあ、はあ…はい」
絡めている右手に口付けを落とし、傍らに置いたちり紙で先程自分の中から飛び出した白濁を拭き取っていく。
後数センチで乳房にかかってたやもしれん。
ほっとしたような、そうではないような。自分の胸中に相反する思いが浮遊していた。
ふう、ふう、と呼吸をまだ整えている七瀬の左頬を包んでやると、ほっとしたように笑う恋人だ。