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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第2章 紫電一閃、青天の霹靂 ✴︎✴︎


夜空に黄金の満月が空高く浮かぶ、静かな —— そして厳かな夜の事。

「血鬼術——」
「燐火・散(りんか・さん)」

その男鬼は森を抜けた空き地の中心にいる私に向かって、掌程の大きさの火を複数放って来た。青く冷たい、思わずぞっと身震いしてしまう炎だった。


「 ——— 水の呼吸」
「参ノ型 流流舞い」

先程、この男鬼の爪に斬りつけられた背中がジンジンと痛む中、回避の型を出す。
真っ直ぐ向かって来た3つは避けれた。

しかし傷の痛みで反応が遅れた為、もう一つ。
右斜め前方から、自分目掛けて青白い炎が向かってくる。

『ダメだ、避け切れない!!』
そう覚悟した瞬間 ——


「雷の呼吸 伍ノ型」
「熱界雷」

黄色い雷刀が下段から上段へ振り上げられると、それを弾き飛ばした。

型を放ってくれたのは桐谷巧。
恋人であり、雷の呼吸の使い手の彼が私を庇うように前に立ってくれ、その肩には青紫色の羽織をはおっている。


「七瀬大丈夫か?」
こちらを振り向いてくれた彼に「うん」と頷いた。


「邪魔すんなよ。その女……これから喰うんだから」
腰まである銀色の髪をひとまとめにしている鬼はその髪をふわりと後ろに流し、面白くなさそうに巧に言う。


「喰わせるわけないだろ。ふざけんな!」

一度納刀した巧は前傾の姿勢になると、鞘と刀の柄を握り、ザッ…と左足を後ろに下げた。
彼が呼吸を整えると、バチッ……バチッ……と周囲を青い稲妻が取り囲む。

後ろにいる私にもビリビリした振動が伝わって来た。



「全集中 —— 雷の呼吸」


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