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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第4章 炎柱・煉獄杏寿郎の息吹 +




鬼はあっという間に体を崩し、サラサラと砂塵になりながらその姿を消していく。

「はあ、はあ……」

そんな中、杏寿郎は血を流しながらも歩こうとする。仕掛けられた爆弾を解除しなければいけない為だ。

『まだ倒れては、ダメだ……どこだ?どこにある……』

しかし、体はなかなか言う事を聞かない。ふらふらと足元がおぼつかない所へ、ガシッと力強い腕が二本彼を抱き止める。


「やった……!十二鬼月を倒した!これで煉獄さんは柱に……!」

彼の継子であった甘露寺蜜璃が感慨深く言葉を発する中、周囲にいる隊士が杏寿郎から離れるように説得する。
が、蜜璃はなかなか動かない。


「わあああああん!良かった……本当に良かった!」

「おい!!いい加減離せ!煉獄さんは出血が酷いんだぞ!死んじまう……!」

「はっ!すみません!」

「隠が来たぞ!早く処置を……!」

蜜璃は数人がかりで引き剥がされ、杏寿郎が治療を受ける姿をしばし見守った。


『煉獄さん……私、自分の型をようやく見つけましたよ!』


蜜璃は以前から鬼殺隊に向いていないのではないかと悩んでいた。
しかし、今回の任務で自分の居場所を。
そして彼女だけが使える恋の呼吸を獲得した。

蜜璃にとってこの戦いは、己の殻を打ち破る貴重な経験となったのだ。


「よし!応急処置出来たぞ。蝶屋敷に搬送だ!って、甘露寺、お前も足から血が出てんじゃねえか!早く治療してもらえ」

「あ、本当だ。全然気になりませんでした……」





杏寿郎はこの功績が認められ、その後の柱合会議にて炎柱の称号を与えられた。
そして先代の炎柱を務めていた父・槇寿郎へその報告に出向くのだが、彼を待っていたのは……






「父上!柱になりました!!今日より更に精進して、鬼殺に励んでいきます!」




「…………らん」
「申し訳ありません、もう一度聞かせて頂けますか?」

瞬間、槇寿郎の纏う空気が変わった。


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