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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第27章 岩戸から出てくる日輪 +











槇寿郎さんがずいっと顔を近づけて来る。


「……日の呼吸が誰でも使えてたとしたら、とっくに鬼のいない世になっていたかもしれません。それが出来なかった。私はここに何か意味があるのではないかと思います。日の呼吸を使っていた剣士の方も誰もが使えるものではない、それをわかっていたんじゃないでしょうか」


「………」

彼は口を挟む事なく、私の話に耳を傾けてくれた。


「それでも同じ時代に存在している剣士の皆さんに教えて下さった。結果、五つに分かれて水、炎、雷、風、岩の呼吸が確立して……更にそこから派生して、花、蛇、蟲、恋、霞、獣、音。7つの呼吸が生まれました」


私はそこで一つ深呼吸をする。そして再度こちらを見ている槇寿郎さんに伝えた。

炎の呼吸を使用していた先祖に痣が出なかった事にも、きっと何かの意味があるのだ。でもそれが何かと言うのは、残念ながら自分にはわからない。

「先程痣を出した者は一定の年齢を迎えるまでに、殆ど亡くなってしまう。そうもおっしゃいましたよね」

「そうだ、爆発的に身体機能が上昇する代償として、出現させた者はその分だけ命を削られてしまう」


炎の呼吸を使用していた先祖に痣が出現しなかったのは、出る必要がなかったからではないか。
そんな事を私は彼に訴えていった。
すると……。

「出る必要がない?? 俺が先祖ならば、それ以上強くならなくてもいいと捉えるぞ! どんなに努力をしてもたどり着けない。皆(みな)が出来ている事が自分だけ出来ない。炎の呼吸は所詮、日の呼吸の模倣!! 手本に模倣が勝てるわけがない!! 俺も杏寿郎も君も!! くだらんのだ!! だから継子など………」


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