第24章 霞む記憶が晴れた先に +
「お待たせしました」
私は杏寿郎さんの横の席に座った。
「肩は大丈夫なのか?」
「ありがとうございます。まだ痺れてますけど、十分冷やしましたし、湿布も貼ってますよ。長引くようなら、またしのぶさんに診てもらいますから」
そう言うと、彼は安心したような表情を見せてくれた。
長机の上には、美味しそうな食事の数々。柱のみなさんの好物ばかり並んでいた。
私は部屋の中を見回す。
今日は風柱の不死川さん、岩柱の悲鳴嶼さんは欠席のようだ。
2人には聞きたい事があったので残念。手紙でも出そっと。
再度長机を見渡した。するとふろふき大根が少なくなっていたのが見て取れた。
これは霞柱の時透さんの好物。取りに行った方が良いよね。
「杏寿郎さん、すみません。ちょっと台所に行って来ても良いですか?」
「ん?構わないが」
ふろふき大根の事を伝えると、なるほど!と納得してくれたので、腰を上げて台所に私は向かった。