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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第17章 恋柱、甘露寺蜜璃 +





「え?あの、隊服ってこれが通常なのでは……」
「そんなわけないだろう!!あられもないぞ!」
「そ、そんな〜〜!!」

慌てて助け舟を出した千寿郎をあっさり翻す杏寿郎だ。蜜璃は更に慌て、顔をボボッと赤く染めていく。

「だって隠の方が……これでぴったりです!!って自信持って言ってくれて………」

「なんと!そのような事が!」

蜜璃の隊服は上衣(じょうい)・襯衣(しんい=シャツ)共に中央が大きく曝け出されており、彼女の豊満な乳房が今にもこぼれおちそうな様相である。

「公式ですから!とも言われたんですよ〜」
「そうか、公式ならば仕方ない!何か事情があるのだろう」
「で、ですよね!」

二人が何とか隊服事情を互いに納得させる中、千寿郎だけは本当にこれが公式なのか疑問を抱いた。
しかし、彼は飲み物を嚥下するようにゴクンと体に落とし込んでしまう。発言出来る空気ではなかった為だ。


この隊服を作成したのは縫製係の前田まさお。あだ名は”ゲスメガネ”
技術は超一流。しかしこのように厄介な癖がある為、度々女性隊士を混乱させる事で有名である。

素直な性格の蜜璃は受け入れたが、後に蟲柱となる胡蝶しのぶは前田の目の前でこの隊服を燃やしたらしい。


「今日は稽古に付き合ってくれてありがとう!我が家に来たのは何か理由があるんじゃないのか?」

「あっ、はい。でも用事と言う程の物でもなくて……」

ふと疑問を感じた杏寿郎が蜜璃にそれを投げかけた所へ、一羽の鴉が現れた。槇寿郎の鎹鴉だ。

「カァー!!伝令、伝令!炎柱、至急柱合会議へ向カエェェ!!」

「柱合会議、ですか?」
「兄上、どうしましょう」
「すぐ戻る!」

飛んで来た鴉を労うように撫でている蜜璃、下がり眉を更に下に向けて困惑気味の千寿郎。
二人に気にするな、と返事をした杏寿郎は、槇寿郎の部屋を目指して歩き出した。


これが後(のち)に杏寿郎を炎柱就任へと導くきっかけとなる、柱合会議の知らせであった。



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