第16章 甘露煮と羨望
「煉獄さんは好きなものを最初に食べる人だけど、七瀬ちゃんは反対で最後に食べるのね」
……確かに!本当に恋柱の眼力は凄い。
「さつまいもや牛肉は前から好きだったんですけど、師範に会って更に好きになったんです」
「あら?そうなの?」
「だって。好きな人が好んでいる物は私も大事にしたいですから」
私がそう言うと蜜璃さんは「きゃっ♡」とキュンとした表情をみせて、甘露煮を食べ始めた。
「七瀬ちゃんと煉獄さんの大事な繋がりだと思うと、余計に美味しくなるわね」
「私も伊黒さんに会いたくなってきちゃったわ」
ちょっとまって、伊黒さんってあの蛇柱??
あー確かに柱合会議の時、蜜璃さんに近づくなって言われたな。そう言う事だったんだ。納得。
でも、伊黒さんが蜜璃さんに惹かれるのは凄くわかる。本当に見た目も中身もかわいい人だもん。
「私はいつでも七瀬ちゃんの味方だからね」
「ありがとうございます!」
私は彼女にお礼を言うと、また牛肉を食べ始める。
さつまいもの甘露煮は途中から塩味になってしまったけど、牛肉は甘辛味でいつにも増してとても美味しかった。