第15章 恋舞う蝶屋敷
「楽しみにしていますね」
そう言った後、しのぶさんは「そうそう……」と含み笑いをして、私を見た。思わずビクッとしてしまう。
だって彼女がこう言う顔をする時は決まって私が困る質問をしてくる時だから。
「最近、煉獄さんとはどうなのです?知ってるんですからね。あなたが恋心を抱いてる事は」
ほら、やっぱり……私はボッと顔が赤くなってしまった。
「え、どうして知ってるんですか……」
そして落ち着きなく、目をパチパチさせてしまう。ちょっと、勘弁してほしい。本当に。
「私だけじゃなくて蝶屋敷の女の子達はみんな知ってますよ」
ふふっと笑みを更に深めるしのぶさん。
え、ちょっと待って!みんなに知られてる??
アオイちゃんもカナヲも、すみちゃん、きよちゃん、なほちゃん……5人の顔がグルグルと頭の中で回る。
どうしよう、恥ずかしすぎる……
「うーん。師範とですか??嫌われてはいません。まあ簡単に人を好き嫌いで判断する人ではありませんが。けど女として見られてるかどうかはわかりません。ただ……」
「何ですか?」
しのぶさんは首を傾けて私を見る。