第15章 恋舞う蝶屋敷
「はい。これで大丈夫です。軽度の捻挫なので、完治までは10日と言った所ですね」
蝶屋敷の診察室でしのぶさんに手当てをしてもらった私は「ありがとうございます」と深々と頭を下げた。
「煉獄さんが心配されてましたよ。この状態で任務に行かせる事は出来ない、と」
「そうですか」
「はい」としのぶさんは頷くと、こう続ける。
「継子を大事にするお気持ちは私にもよくわかります。今無理をすると後々響いてくると言う事はよくある事ですからね」
「自分からも完治するまで任務は休むようにお館様に申し出る」としのぶさんは私に言ってくれた。
ありがたい……。
師範もだけど、しのぶさんの心遣いに涙が出そうになる。
「煉獄さんとの特別稽古は如何でしたか?あなたも相当頑張ったと聞きましたよ」
しのぶさんは診察記録を記入すると、改めて私と向き合う。