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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第66章 I want to be scarlet ✳︎✳︎



「俺は肝心な時に動けなくなります。そんな自分が大嫌いです」


以前の任務で一緒になった癸(みずのと)の2人の内の1人。
名前は柴崎くん。

先日私は杏寿郎さんに自分の事が好きかと聞かれ、あまり好きではないと答えた。
対して彼は大嫌いとはっきり口にした。

“あまり好きではない” と “大嫌い”
似ているようで、この2つは全く違う。


何故柴崎くんがこんな事を言ったのか ———



「もう少しで真野(まの)の右足を奪う所だったんです。当たりどころが悪ければと思うとぞっとします」

“気にすんなよ!ちゃんと機能回復訓練をすれば、元通りまた足が動くようになるって蟲柱が言ってくれた。だから俺は大丈夫だって”


真野くんと言う彼は柴崎くんと同じで、先日私が任務で一緒になった癸の隊士だ。
あの後、2人は合同任務で茨城県の鹿嶋町(=現在の茨城県鹿嶋市)にある鹿島神宮に赴き、とある鬼と対峙した。

足に触れた物を全て蹴鞠に変化させ、その蹴鞠を自由自在に操る。
そんな異能の鬼だったとの事。

柴崎くんも真野くんも共に不死川さんと同じように風の呼吸を使う剣士。
2人で襲い掛かる蹴鞠を風の型で蹴散らしていたそうだが、しびれを切らした鬼は足だけではなく、手も使い、同時に四つ蹴鞠を放って来た。

無回転の物、大きく曲線を描きながら向かって来る物、上空から地面に向かってまっすぐ放たれた物。

そして四つ目。
蹴鞠の軌道が残像のようにぐらぐらと揺れ、目で捉えにくい物。

これが柴崎くんに襲いかかる。
けれど不規則な動きに翻弄された彼は、その場から動けなかった。

そんな彼を間一髪の所で真野くんが呼吸を使用して助けたのだが、右足に蹴鞠が一瞬だけ当たってしまい、その強力な力によってふくらはぎの筋肉が断裂(=肉離れ)してしまったのだ。


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