第7章 試練
槇「実は、音柱の宇髄から月奈の鍛錬については報告を貰っていてな、その進捗についても聞いていたのだが」
(槇寿郎様とは少し柱の時期が被っていると聞いていたけれど、文のやり取りまでされていたのね)
煉「よもや!宇髄と文のやり取りをされていたのですか父上!」
槇「あぁ、そこで一つこちらでも鍛錬をつけて欲しいと相談があった」
「こちらでも鍛錬、ですか?」
コクリと槇寿郎が頷くと、杏寿郎と千寿郎も怪訝な顔をして首を傾げる。それもそうだ、月奈の鍛錬だけならば全員が道着に着替える必要もない。槇寿郎も着替えているということは…
(え?嫌な予感しかしない…)
煉「俺達は剣術を主流として鍛錬しています、月奈に必要な鍛錬ではないかと思いますが?」
千「俺に至っては、剣士としても未熟です。一緒に鍛錬をするのでしょうか?」
槇寿郎は、溜息を一つ吐くと月奈をチラリと見る。
槇「宇髄が嫁たちとともに長期任務に出ることになったそうだ。杏寿郎、お前今日迎えに行った時に宇髄から聞かなかったのか?」
杏寿郎は、手を顎に当ててう~んと考えた後、ハッと目を見開く。
煉「二週間ほど家を離れると言われました!月奈をよろしくと…言われました!」
すっかり忘れていました!と笑い飛ばす杏寿郎に、槇寿郎はがっくりと肩を落とす。
「…最終選別まで残り三週間ですが、残りの鍛錬は煉獄家で受けるということですか?」
槇「任務の状況によっては早期帰還できるかもしれないが、予想より苦戦すれば帰還が遅れる可能性もある。二週間ほど、というのもあくまで目安だ」
まぁ、宇髄の事だ心配はないだろうがな。と槇寿郎は続ける。
千「あの、どうして月奈さんにはお話がなかったのでしょう?」
千寿郎が問うと、どうやら以前から鬼の動きがあったらしく、本格化したのが昨夜だったようだ。