第7章 試練
あ「月奈さん、よく御出でくださいました」
咄嗟に月奈は頭を下げて挨拶をする。
こちらへどうぞ、とあまねに案内され以前入った部屋に通される。
あ「柱のお二人は別室にて待機をお願いします。既にもう一人待機されています。いつもの会議の部屋でお待ちください」
(私一人でお館様と会うの!?)
これは二人も聞いてなかったようで、驚いていたがすぐに頭を下げて別室へと向かっていった。
一人ポツンと部屋にいると、途端に不安になる。
(…落ち着いて、お館様は優しい方だもの。大丈夫、お話をしっかり聞こう)
廊下から静かな足音が聞こえ、月奈は頭を下げて入室を待った。
一方、別室待機を命じられた二人は目的の部屋に向かっていた。
し「まさか、月奈一人での謁見になるとは思いませんでしたね」
煉「うむ。大丈夫だろうか…」
襖を開くと、既に義勇が部屋にて待機していた。
義勇の近くに二人は腰を下ろすと、口を開いたのは義勇だ。
冨「二人も別室待機か。お館様はどのような話をするんだろうな」
し「最終選別を受けさせるのでしょうか」
煉「…むぅ、何も予測できんな!お館様のことだ、悪いようにはしないだろう」
月奈が戻るまで待つことしかできない。
三人は溜息をついた。
館「月奈待たせたね。よく来てくれた」
「いえ、時間を頂きありがとうございます」
頭を下げたまま月奈は深呼吸を一つする。
顔をお上げと言われ、ゆっくりと姿勢を正して次の言葉を待つ。
館「さて、今日来て貰ったのは他でもない月奈の今後の事なんだが…月奈の気持ちは今も変わらず、鬼殺隊に入りたいかい?」
お館様は穏やかな笑顔を向けた。
はい、と答える声は緊張で掠れている。
館「最終選別については聞いているかい?…あぁ、聞いているみたいだね。それなら話は早い」