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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第7章 試練



し「元炎柱、槇寿郎様のことは姉のカナエより聞いておりました。私はカナエの妹のしのぶと申します、蟲柱を拝命しております」

槇「…あぁ、花柱の胡蝶か。俺の方こそ世話になっていた。そうか、妹の君も柱に…」

し「私が柱に就任して以降、槇寿郎様にお会いする機会がなく、挨拶もまともに出来ず申し訳ありませんでした」

うっ、と槇寿郎が詰まっている姿を見て不思議に思う月奈に、千寿郎がこっそりと耳打ちをする。

千「母上が亡くなった時期でしたので、父上が任務や柱合会議に出ることがなかったのです。…その後すぐに柱を引退したので蟲柱様とはお会いしなかったんです」

へぇ、と頷いて槇寿郎を見ると苦笑して頭を撫でられた。

(父様のように優しい手だなぁ)

その手の温かさに自然と笑みが零れる。
ふと杏寿郎を見ると、ニコリと微笑み返された。

(お館様の考えを聞くのが怖いけど、頑張ろう。少しでもこの人たちに何かお返しをしたい)

し「そろそろ行きましょうか」

煉「うむ、お館様が待っていらっしゃるな!」

気をつけて、と見送ってくれる二人に手を振りお館様の元へ三人は出発した。



(ほ、本当に速い…)

目隠しをしている月奈でも、耳元で鳴る風切り音で以前より早く走っているのが分かる。
もちろん、体に当たる風圧も強い。

煉「月奈、大丈夫か!」

頷くと、そうか!と杏寿郎が答える。
羽織を頭からすっぽりと被っているので、風による寒さも幾分か防がれているので、以前の行程より少し体が楽だ。

「杏寿郎様の羽織のおかげで、風が防がれているので大丈夫です」

煉「うむ、それは良かった!」

(傍から見れば、蓑虫状態の何かを運んでいるとしか見えないんでしょうけど…)

ましてや、包まれた人間は目隠しをしているのだ、怪しい以外の何物でもない。下手したら、人攫いと思われるかもしれない。

し「もう少しでお邸につきます、頑張ってください月奈」

杏寿郎の横に並んでいるのだろう、しのぶの声も近くで聞こえる。
数分経つと、風切り音が止み砂利を踏む音が聞こえた。

「到着ですか?」

し「えぇ、お疲れさまでした」

目隠しを外され、眩しさに少し目を細める。
足を下ろされ、視線を前に向けるとあまねの姿が見えた。
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