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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第6章 迷いと決意



ー何故こんなにもイライラするのか、鍛錬が足りないのだろうか。

杏寿郎は、月奈の手を引いて診察室に向かいながら考えていた。先ほど強く抱き寄せてしまったせいで、月奈の鼻は赤くなっていた。

「杏寿郎様、あの…どうされたのですか?」

先ほどから黙ったままの杏寿郎は、表情はいつも通りでも何かイライラしている感じがして、月奈は戸惑っている。診察室に入り椅子に座らされ、杏寿郎は向かいあってしゃがみこんだ。

煉「…不死川とは本当に恋仲ではないのか?」

「はい?…先ほどもそう言ったではありませんか。兄のように思っていると」

煉「不死川とは抱き合い、千寿郎とは手を握り合っていたな。君の愛情表現が過大すぎやしないか?まるで恋仲のような表現ではないか」

まさか、そんなことを言われると思っていなかった月奈はポカンとしてしまう。

「兄妹であれば、普通の表現では?杏寿郎様も千寿郎さんとそういう表現をすることもあるでしょう?それと一緒です」

煉「千寿郎とは確かにそういう表現もするが…では、何故俺とはそういう表現にならないんだ?」

「へ?…え?何故と言われましても…杏寿郎様はそのことで怒っていらっしゃったのですか?」

うーん、と唸って考えていた月奈は杏寿郎に向かって腕を広げて見せる。
どうぞ、と月奈が首を傾げると杏寿郎の頭は胸にポスンと納まった、腰に回った腕は先ほどの力強さはなく優しい。

「そんなことで拗ねていらっしゃったのですか?困った人ですね」

クスクスと笑いながら、ふわふわとした杏寿郎の髪の毛に指を通す。なんだか小さい子供をあやしている気分だ。
もぞりと頭が動き、月奈を見上げてくる杏寿郎の目には拗ねているような、それでいて意地悪い光が宿っている。

煉「月奈は俺を甘く見すぎだ。そんな様子だといつか後悔するやも知れんな」

「どういう…こと…ひゃっ!」

杏寿郎が顔を動かすと、鼻が月奈の胸をくすぐる。慌てて体を離そうとしたが腰に回った杏寿郎の腕により阻止されてしまった。

(な…何を…!?)

煉「…あまり男に無防備な姿を晒すのはやめておけ。いくら兄妹と思っても…な」

胸元で話され、さらにくすぐったくなり月奈は顔が赤くなっていく。
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