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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第6章 迷いと決意



(あぁ、驚いた。まさか千寿郎さんを引き合いに出すなんて)

日が昇っている日中は鬼が出る心配もないので、街によってから蝶屋敷を目指していた。もちろん、月奈のケガが治っているわけではないので、無理をさせない為の街散策だ。

煉「父上は月奈が余程気に入ったようだ!よもや千寿郎の嫁になどといった冗談をおっしゃるとは思わなかった」

「とても驚きましたね!千寿郎さんはいずれは引く手数多で縁談話が持ち上がるのではないでしょうか。まさか私を嫁になんていう冗談は困りものでした」

クスクスと笑う月奈の表情に、昨日の切羽詰まったような表情は見られない。夜中に話をしたことで、気持ちが幾分かスッキリしたのならば良かったと杏寿郎は安心する。

煉「うむ、千寿郎は小さい頃から屋敷の切り盛りの一切を行っている。剣技の才には恵まれなかったが賢い弟だ、俺は千寿郎が弟で誇らしい!」

ニコニコと笑って千寿郎を褒めちぎる杏寿郎に、月奈は目を細めて微笑む。

「千寿郎さんが大好きなのですね、杏寿郎様。本当に素敵なご家族で羨ましいです。また遊びに伺ってもよろしいでしょうか」

煉「いつでも来るといい!父上も千寿郎も歓迎する、俺ももちろん君を歓迎するぞ!」

とても嬉しいです、と破顔した月奈に杏寿郎は不思議な気持ちになり胸を押さえる。

「杏寿郎様?どうしました」

煉「?いや、俺もよく分からん?」

首を傾げて杏寿郎に見つめられ、月奈も首を傾げてしまう。どちらともなく微笑み再び歩き出す。

街を抜けて蝶屋敷に到着した二人を出迎えたのは、門の前に立ち尽くした冨岡だった。
月奈が声をかけると、どうやらしのぶさんに何か話があるらしい。

煉「何故入らないのだ?入って話をすれば良いのではないのか?」

そう言いながら、杏寿郎はすでに門を開けて入って行こうとしている。月奈は不思議に思いながらも、冨岡の手を引いて中に入る。

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