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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第6章 迷いと決意



(さすがに、今日は布団では寝られないだろうなぁ…)

杏寿郎と並んで部屋へ向かいながら、月奈はどの姿勢で寝るのが一番良いのか考えていた。

煉「この部屋だな、好きに使って貰って構わない!」

襖を開くと、整頓された部屋の中心に布団が敷かれ、枕もとの行灯が柔らかい光を放っていた。

「ありがとうございます、杏寿郎様もゆっくり休んでください。あとは自分で何とかします!」

煉「…よもや、手伝おうと思っていたが」

「え?…ですが、お疲れでしょうし…」

煉「それは問題無い!ただ…サラシを巻く手伝いとは言っても邪な気持ちはないと事前に伝えておこう!」

少し狼狽えているようだが、純粋に手伝おうとしてくれているのだと月奈は分かっている。
わざわざ言うのが杏寿郎らしいと言えばそうなのかもしれない。

「…一度見られた物、二度でも三度でも一緒なのでは?」

意地悪く杏寿郎を見て、先ほどの湯殿での出来事を蒸し返す月奈は楽しそうにしている。

煉「う!…むぅ…それは本当に勘弁してくれ…。そもそも見ていないではないか」

項垂れていく杏寿郎を見て、噴き出した月奈はでは、と手伝いをお願いした。

煉「では、先に着替えてくる。消毒は自分でできるか?」

「問題ありません。済ませて置きます」

問いに頷き、杏寿郎が自室に入っていくのを確認して部屋に戻る。
鏡台前に座り、胸元の傷に消毒薬を含ませた手ぬぐいを当てるとビリビリと痛みが広範囲に広がる。

「いっ…!…んぅ…っぐ…」

裂かれた範囲が広いため、痛みが広がる範囲も広くなる。
さすがに堪え切れない痛みが声に漏れるが、手ぬぐいを押し付け止血をしつつ痛みをなんとか我慢する。
額に玉のような脂汗が流れ出る。

「我慢しろ…我慢我慢我慢…焼くよりマシな痛みなんだから…」

そう呟いて、手ぬぐいを傷口から離すと消毒薬をかけ直す。
ふぅーと息を吐いて、傷口に当てようにも先ほどの痛みで手が震える。

(我慢したって痛いものは痛いよ!!!でも早く処置しないと杏寿郎様が戻ってくる…)

涙目になりながらも、手ぬぐいを握りしめて深呼吸をしていると背後から声がした。
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