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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第5章 お館様



館「月奈の思いを聞かせて貰ってもいいかい?どうやら思うところがありそうだね」

姿勢を正し、まっすぐ耀哉を見つめる。
大丈夫、たった一つを伝えればいい。

「鬼に家族を殺されてから、蝶屋敷で世話をして頂き、胡蝶様煉獄様はもちろん、鬼殺隊の方々には感謝してもしきれないほどにお世話になりました。恐れ多い願いかもしれませんが、頂いた恩義をこれから隊士となり返していきたいと考えております」

息を呑む音が聞こえた、しのぶと煉獄だった。

館「…そうか。月奈はそう考えてくれているんだね。しのぶ、杏寿郎、月奈の三人の気持ちが納得いくように僕も考えていきたいと思う。しばらく時間を貰ってもいいかな?」

「はい、何卒よろしくお願い致します」

再度頭を下げて、お館様との話し合いはお開きとなった。



(…怒ってるよね)

再び目隠しをされて帰路についたはいいが、途中で鎹鴉からしのぶが呼び出され先に蝶屋敷に戻っていったので、今は煉獄と二人だ。

「…煉獄様。目隠しはそろそろ外してもよろしいでしょうか」

煉「む…あぁ、ちょっと待ってくれ」

ゆっくりと足を下ろされ、目隠しが外される。
瞬間、見えたのは煉獄のいつもの笑顔ではなかった。

こんな顔はさせたくなかった、けれど記憶を無くしたくはなかったのだ。
忘れたフリをして平和な日常には戻れない。

「怒ってらっしゃいますか。…お二人とも優しいから、私を守ろうとしてくださったのは分かっています。それを無碍にしたのも申し訳ないと思っています…」

煉「…許さん。水橋少女は元の生活に戻るんだ」

チリッと空気がひりつく。
威圧がすごい。冷や汗が出る。
でもここで諦めれば、お館様にお話ししたことすら無駄になる。

月奈はゆっくりと首を横に振り、煉獄と向き合う。
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