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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第5章 お館様



手に取って窓の陽光にかざすと、埋められたオレンジのとんぼ玉が光る。
深い意味を考えてはいないのだろう、と苦笑した。簪を使って髪をまとめ上げると、自然と元気が貰えるような気がした。

し「月奈、そろそろ煉獄さんが到着しますよ。準備はできましたか」

部屋に入ってきたしのぶは、月奈の髪に差された簪に気付く。

「しのぶさん、準備はできました!…これ、昨日後藤さんから渡された物なのですが、誰からの預かり品かは教えて貰えなかったのです…困った方ですよね、自分の名前を言い忘れるなんて。これじゃあ御礼も言えません」

しのぶの視線を感じ、苦笑しながら月奈はそっと簪に触れる。
使って、喜んで貰えればそれだけで贈った方も嬉しいのではないでしょうか。と月奈の頭を撫でてしのぶは微笑む。

月奈はベッドからゆっくり立ち上がり、心を落ち着けるように深呼吸をする。
お館様とお会いする時間が刻一刻と近付いてくるとともに、やはり緊張は増してくる。
そうしていると、玄関から「胡蝶!来たぞ!」と声が聞こえた。行きましょうか、としのぶは月奈の背中に手を添えて歩き出した。


出発してからしばらく経ったが、月奈は疲れ始めていた。

煉「水橋少女!大丈夫か?」

「はい…あの…申し訳ありません」

出発時は、横抱き状態だったが、移動速度が速すぎて現在は振り落とされまいと煉獄の首に腕を回してしがみついている状態になっている。

(速いよ!!歩けますなんて言った昨日の自分が恥ずかしい。それどころじゃない速度だった、頑張って走っても秒で置いていかれるよコレ)
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