第4章 行く先
「煉獄様?お団子美味しいですよ、食べられないのですか?」
し「…私達はもうお腹が一杯なので、あとは煉獄さんが持ち帰って召し上がられてはいかがでしょうか?」
うむ、有難くそうさせて貰おう。と紙に包み直し、煉獄は顔を上げる。
蝶屋敷に到着すると、門の前でしのぶは月奈は先に中に入るよう促した。
「煉獄様、先ほどの騒動の際にも助けて頂きありがとうございました!お団子も美味しかったです!明日はよろしくお願い致しますね」
そう言って一礼して中に入っていくのを2人は確認する。
し「さて…煉獄さん?」
煉「胡蝶、何が言いたいかは分かっている。そもそも俺も自分の行動がよく分かっていない!ただ不躾に女性の髪に触れたのは申し訳ない」
あら、としのぶは驚いた。
煉獄は20歳。女性との浮いた噂の一つや二つあってもおかしくはないが、そういう話をとんと聞いたことが無い。色恋に疎いのか、炎柱の家系の長男として生まれたが故に任務が重要であり女性のことを考えたことがないのか。
ーどちらかと言えば後者かと思っていましたが、もしかしたら前者でしょうか?
しのぶが言わんとしたことを的確に捉えて謝罪をしてきた煉獄を、まじまじと見つめる。
月奈は良家の子女として育てられたと聞いている、ならば嫁入りは恐らく見合いの可能性もあっただろう。もちろん色恋など夢物語のようなものだったに違いない。