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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第26章 居場所



「す、すみません…」

やきもきさせた心当たりは確かにあるので月奈は素直に謝る。なにせ問題の柱合会議の後に倒れ、気付いた時にはしのぶと蜜璃の追及から逃れようと蝶屋敷を飛び出していたのだ、心配するのは当然だろう。

(杏寿郎様とのことも結局ハッキリしないまま、私がまた姿を消した。ようなものだものね。これは私が悪い…否、杏寿郎様が状況を皆に伝えなかったのも悪いわよね!)

責任転嫁、とも言える押し付けを心の中でやり終えた月奈は一つ頷くとしのぶに改めて向き直る。ゆっくりと手を挙げた月奈にしのぶが首を傾げ、杏寿郎も視線を向けた。

「私が悪い事は重々承知しております。その上で一つ、よろしいでしょうか」

し「え?ええ、どうぞ?」

しのぶの許可を受けニコリと微笑んだ月奈は、挙手していた手をそのまま杏寿郎に向ける。それを見て杏寿郎は「よもや」と小さく呟いた。

「私が鬼殺隊と関わることは必要最小限というようにお館様からお話がありましたので、直接こちらに伺うのは避けるべきかと思い、心苦しくはありましたが杏寿郎様よりお伝えいただけるようにお話したはずなのですが」

どうやら時期が悪かったようで、としのぶに謝る。そう言われてしまってはしのぶも月奈には何も言えなくなる。そう、月奈には。

しのぶの視線が月奈の手の先、杏寿郎に戻っていったのでホッとした矢先、杏寿郎の頬に手当てされた傷跡に気付き思わず「え?」と声を上げてしまった。

煉「なんだ?」

「本当におケガされていたのですか!?」

し「あら、お伝えしていなかったのですか?煉獄さん」

煉「…そのようだな!」

杏寿郎の返答にしのぶは絶句してしまった。何を言って月奈をここに呼んだのか…。

し「そのようだな、とは…月奈、どのように呼び出しを受けたのですか?」

「千寿郎さんと合流して蝶屋敷に向かうように言われただけでした。それに…杏寿郎様から私の事を聞いてしのぶさんが呼び出しを掛けたのかと」

し「…煉獄さん…、月奈からあらぬ誤解を受けたのですがどうしてくれるのですか?まぁ、確かにいずれは呼び出しをかけるつもりではありましたから、手間が省けて良かったのですけれども」

(それはつまりいずれはこういう状況になっていたと…)
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