第4章 行く先
煉獄は本日の任務が終わり次第蝶屋敷に向かうと言ったが、
し「仮眠してからいらしてください。時刻は午後からなので大丈夫ですよ。寝不足で月奈を落とされても困りますし」
ピシャリと言われ、よもや…それはいかんなと呟きながら頷いている。
(…え?落とす?)
「えーっと…私ケガとかもないですし歩けますよ?」
当然のように話が進んでいるが、月奈はいまいち話についていけない。おずおずと挙手して発言するとしのぶが困ったように笑った。
し「あぁ、すみません。お館様の屋敷というのは安全上、幾重にも隠されているので柱である9名と一部の隊士や隠だけが所在を知っています。月奈は自力では行けないので、抱えるのです」
煉「うむ!見たところ水橋少女は背丈が高い!胡蝶が抱えるにはいささか不都合だろう」
それに途中からは目隠しをさせて頂きますから、やはり抱えることになるので諦めて抱っこされてください。としのぶに微笑みを返された月奈は絶句した。
(この身長が憎い…せめて冨岡様ならまだ良かったのに)
一気に明日が憂鬱になってしまった。
一方でしのぶは微笑みながら
し「では、明日の準備をしましょうか」
と立ち上がった。