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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第22章 消失



し「月奈が居なくなってからもう半年が経つのですね、なんだかあっという間に過ぎた気がします」

宇「突然だな。あれからもう半年か…何やってんだろうなぁ?」

蝶屋敷の縁側でお茶を啜る天元にしのぶは話しかける。今日は天元の腕と目の定期健診の日、治りはしないが違和感が無いか等の診察を月に一度行っている。

し「どこで何をしているのか気になりますが、不思議な程に見つけられないのはどういうことなのでしょう」

しのぶと蜜璃は月奈自身から”嫁ぐ”と聞いていたがこの半年嫁ぎ先を探っても情報が出てこないのだ。なにかがおかしい、まるで探すなとでも言われているようだ。

宇「俺も探しては見たけどな、それらしい女の姿は見たっていう情報はあっても雲みたいに捕まえられないんだよな」

し「あら、宇髄さんもお探しになられていたのですか?」

元忍の宇髄の探索能力を持ってしても見つけられないとは、としのぶが驚いていると苦虫を嚙み潰したような表情で天元が唸った。

宇「だってなぁ…月奈が消えた以降煉獄と任務で何度か一緒になったけど、派手に酷いもんだったんだぞ!?」

しのぶは「あぁ」と思い出したように相槌を打った。その頃から隊内で囁かれ始めた噂は中々に酷かったのだ。

し「確か、ある時は炎柱がご乱心だと騒がれ、ある時は炎柱の力が発揮出来ず危うく致命傷を負いかけたことを心配されたこともありましたね」

宇「それだ!後始末も派手に面倒だったが、あいつを正気に戻す方が大変だったわ!」

し「まさかそれだけが理由で月奈を探したのではありませんよね?」

宇「当たり前だ!後始末させるためだけに探すはずねぇだろ!…俺にしちゃ地味に探し続けたが、こんなに見つからねぇのは正直お手上げだ」

お茶とともに出されていたお茶菓子を手で摘まんで口に放り込むと天元は立ち上がり伸びをする。せっかく黒文字が添えられているのに、としのぶが若干顔を顰めたがそれには気付いていないようだ。

し「これほどまでに見つからない以上、弟さんの可能性がある鬼を片付けない限り見つからないかもしれませんね」

しのぶがポツリと呟いた。あれから半年、弟ではないかと思われる鬼に遭遇したという情報はどの柱からも聞いていない。逃げているのか、はたまた事情を知らない隊士に鬼殺されたか…
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