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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第21章 悪夢



というか、そもそもの話で…

「隠は顔布で顔を隠して任務にあたるので、咄嗟の状況で見分けがつくとは思えません。いくら素顔を見ていたとしても、覚えている云々の問題では無いと思います」

それもそうか、と杏寿郎は任務中の月奈の姿を思い浮かべて頷いた。この数日後、月奈の元に鴉が言伝を持って降り立った。

産屋敷邸においで。

その呼び出しの理由まで鴉が語ることは無く、用は済んだとばかりに飛び立っていった。

「お館様からの呼び出しが私に直接来るなんて珍しい…何の話だろう」

(良い話だといいんだけれど、きっと違うよね)

遠くから自分の名前を呼ばれ、月奈は任務中であることを思い出した。

(気を引き締めなきゃ。また小さくなりでもしたら笑い者だわ!)

血鬼術による幼体化の失態はつい最近の出来事だ。それこそ二度も短期間で血鬼術にかかれば鬼殺隊内だけではなく槇寿郎達にも呆れられるだろう。気持ちを切り替えるように頬を両手で叩いた月奈は任務を終える為、後始末に戻っていった。

一方その頃、月奈とは別の任務に就いていた杏寿郎の元にも言伝が届いていた。内容は月奈の元に届いたものと大差はない。違う点と言えば

煉「柱の招集?珍しいな」

柱合会議はお館様からの招集で開催される、頻度で言えば半年に一度程度だ。勿論鬼の活動や状況によって開催頻度の差はあれど、ここまで短期間で開催されることは珍しいと杏寿郎は肩で羽を休めている要の頭を指で撫でてやる。

実「おい煉獄ゥ、鴉から聞いたか?」

煉「不死川!今聞いたぞ!鬼側の動きに何かあったのだろうか!」

実「さぁなァ。俺にも良く分からねぇけどよ、とにかく柱合会議は明後日だろ。さっさとこの任務片付けねぇと参加できなくて恥かくぞォ」

木陰から姿を現した実弥は刀を抜いたまま周囲を警戒している。勿論、杏寿郎も抜き身のまま警戒を怠ることはない。明日も任務が続けば柱合会議の参加が怪しくなるだろう、それは柱として不甲斐ない。

煉「うむ!ここら一帯の鬼は一般隊士達が殲滅しているようだ、柱である俺達は一番強い気配の鬼をさっさと斬るとしよう!」

そう言って先程から感じていた強い気配の方向へ目を向けた二人の姿は、瞬く間にその場から消えていた。
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