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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第21章 悪夢



ー恐らく時透から受けた傷…それでも庇うのは柱としての俺を慮っているのか。

煉「確かに悪気は無いかもしれないが、月奈の体に傷を作るとは許せるものではないだろう!」

「こんな痣すぐに治ります!時透様には私から文を送っておきますので、杏寿郎様は何も心配しないでください!」

心配ではない、と杏寿郎は心の中で呟く。月奈が炎柱である杏寿郎を常に気にしていることは分かっている。しかし、炎柱であることは杏寿郎の矜持でもある。

ーしかし、時透も月奈に会ったことも無ければお館様から聞いた月奈のことも覚えていないはず。意図的にケガを負わせたわけではあるまい。

「杏寿郎様は炎柱です。他の柱の方と諍いを起こしてはいけません。私は大丈夫ですから」

煉「口惜しいものだな。柱であるが故に黙っていなければいけないとは」

「私の前では炎柱という責を感じて欲しくは無かったのですが、今回ばかりは聞き分けてください」

そう言われては「仕方ない」そう返す以外無い杏寿郎に、月奈は振り返って微笑みかけた。自分の意図を汲み取って大人の対応をしてくれる優しい人に申し訳ない気持ちになりながらも愛おしくなる。

(優しい人だわ本当に)

「ありがとうございます」

煉「…覚えていない時透を責める訳にもいかないからな。月奈は柱何人に会った?」

柱は全部で九人。問われた月奈は指を折りながら、今まで会った柱の顔を思い浮かべる。

「風柱様、水柱様、蟲柱様、恋柱様、蛇柱様、霞柱様、音柱様…」

煉「ふむ。あとは悲鳴嶼か、岩柱だな!柱で最強と言われている人だ」

「岩柱様ですか。柱の中でも一番なんてすごい方なのですね」

まだ会ったことのない岩柱。ふとどんな人なのだろうかと想像する。

(柱で最強、とてつもなく強いということよね。柱は隊士の中で最高位、その一番ということだもの)

「杏寿郎様、何故そんなことを聞いたのですか?」

煉「皆が月奈の顔を知っていればこんなことは起こらないのではないかと思ってな!」

こんなこと、つまりケガのことだ。しかし今回の無一郎とのことは、偶然発生した事故のようなものだ。あの場に居たのが自分でなくても他の隊士が蹴り飛ばされていたのだろう、別に自分だったからやられたわけではない。認知の問題ではない。
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