• テキストサイズ

【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第20章 遭遇



槇寿郎から預かった品物をカバンから取り出すと、小芭内の前で風呂敷を解く。蜜璃が居るからなのか、少しだけ蓋を開き中を確認した小芭内はホッとしたのか目元が少しだけ弛んだ。

(蛇柱様も口を布で覆っていらっしゃるから表情が読みにくいのよね。目の色も独特だし...綺麗だけど少し怖い)

小「確かに受け取った、槇寿郎さんによろしく伝えてくれ」

「はい。では私はこれで...」

蜜「え!?行っちゃうの月奈ちゃん!?」

部屋を下がろうと頭を下げた所で蜜璃から声が上がる。ここまで来てまさか一緒に帰ろうなどと言わないだろうとは思うが、蜜璃ならば言いかねない。

「私の任務は完了しましたので。恋柱様は蛇柱様とお約束されていたと先程仰っていましたので、間に割り入ってしまった私は早々に辞させて頂きます」

蜜「でもでも!少しくらいお茶する時間はあるんじゃないかしら?ね。いいでしょ伊黒さん!」

(一刻も早くこの部屋から出たい!見なくても分かる、蛇柱様から冷たい視線を浴びてる。絶対冷たいよ!)

ここで小芭内が「出てけ」と一言月奈に言えば済む。それを期待したが、それは淡い期待となり消えていった。

小「そうだな。甘露寺がそこまで言うなら...」

一般隊士からすれば、柱の一言に従わざるを得ない。しかし、渋々といった小芭内の声音を聞いて月奈は意を決して顔を上げハキハキと言葉を発した。

「折角のお誘いをお断りするのは心苦しいばかりですが、私は御遣いが終わり次第一刻も早く煉獄家に戻るように言われておりますので失礼します!」

ニコリと微笑んでから顔布と頭巾を手早く身に着け、唖然とする二人を残し部屋を後にした。これくらい強引に退出しなければきっと、蜜璃に引き留められ小芭内からは「邪魔するな」と言わんばかりの視線を向けられ続けただろう。

(後は二人で勝手にして!)

廊下に控えていた男性隠に頭を下げて挨拶を済ませた月奈は、なんだか煮え切らない二人への焦れったさを消すように煉獄家へと走り出したのだった。




蜜「伊黒さん...月奈ちゃんの事が嫌いなの?」

月奈が部屋を出ていって暫くすると、蜜璃がポツリと問いかけていた。小芭内は「何故?」と声に少し戸惑いを滲ませる。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp