第4章 行く先
ゴソゴソと布団にもぐり始めたところで、煉獄の視線に気付く。
「あの…煉獄様?お休みになられた方がいいのでは?ご家族の方も心配していらっしゃるでしょうし…まぁ朝方まで引き留めていた私が言うのもおかしな話ですが」
煉「うむ!水橋少女が眠ったら帰るとしよう!」
(私が寝るまで居座るのか…)
「…煉獄様、そんな心配なさらなくても私はもう大丈夫です。助けられた命をこれからどう使おうか入院している間ゆっくり考えてみます」
ー退院したとしても行く宛ては無いが…なんとかなるか。
苦笑いして月奈は目を閉じて眠りに落ちた。
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?「そうか…少女は記憶を取り戻したんだね。思いのほか元気な少女で安心したよ。もう少し時間を置いてから、一度会ってみようか。家族を亡くして居場所を無くしてしまっているからね、居場所を与えられればいいのだけれど…」
ゆっくりと鴉の頭を撫でて、静かに話すのは鬼殺隊の最高管理者だ。
独特の声を持ち、9人の柱と一部の隠のみが姿を見ること、そして幾重にも隠された屋敷に出入りすることが許される。
?「…稀血の少女は、助かった命でどのような人生を歩むのだろうか、楽しみだね」
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