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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第19章 前進と後退



ーいくら旦那様がこれを知っているとはいえ、女心としては綺麗な体を見て欲しいと思う。尚且つ、植木屋の男についての過去がある藤葉ちゃんが旦那様に負い目があるのは間違いない。

清「藤葉ちゃん、旦那様と進展が無い事と体の傷は同義ではないと私は思うよ。どちらかと言えば、藤葉ちゃんを傷付けまいとしているんじゃないかな?」

「傷付く?」

清「植木屋の過去があるから進展し辛い状況なんじゃないかな。色々と思い出させてしまうかもしれないじゃない?」

「蒼樹と杏寿郎様とは別人ですよ。それに、杏寿郎様なら大丈夫だと思っているんです。触れられることが嫌じゃないですし、寧ろ心地良いです」

(でも、恐怖心は確かにある。それを杏寿郎様は見抜いているのかもしれない)

清「誰でも初めては恐いもの。私もいずれ誰かに初めてを捧げることになるけれど、好き合った者同士ならとても幸せなことじゃないかな。全て乗り越えた時に、藤葉ちゃんの過去が上書きされたらいいなって私は思うよ」

「上書き…」

過去は消す事は出来ない。けれど、それ以上にまだまだ積み重なっていく未来がある。幸せで上書き出来ればとても素晴らしい事じゃない?

そう言った清花は、月奈の崩れた着物を直して微笑んだ。

清「月奈が過去に負い目を感じていることを旦那様は気にしているんじゃないかな。だからこそ一歩引いているように感じるのかもしれない。でもそれは旦那様は望んでいないと思うよ。…ね、旦那様?」

月奈の背後に視線をやった清花が問いかける。丁度窓から室内に戻ってきた杏寿郎は「そうだな!」と頷いているが、月奈は背を向けていた為ビクリと肩を揺らした。

「え?待って。いつから杏寿郎様がそこに居たんですか?」

振り向くことが出来ない月奈は目の前の清花に問いかける。その顔は青褪めている。

煉「過去に負い目を感じている、という話は聞こえたぞ!それより以前の話は分からん!」

(そこだけなら聞かれても問題ない。良かった…)

清「いつかは向き合わなきゃいけなくなる問題だと思うから隠しても意味はないと思うけれど…」

あからさまにホッとした月奈に清花は耳元で囁く。後回しにするとツケを払うことになるんじゃない?と付け足すことも忘れずに。
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