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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第19章 前進と後退



雅「炎柱様の進退について、ここ最近隊士の間で囁かれています。音柱様のように引退をされ、育手のような後方支援に回られるのではないかと」

煉「…なるほど。確かに、宇髄と同様に左目を失っているからこそ囁かれる事かもしれんな!俺の今後は全てお館様の考え次第だ、隻眼の剣士がどこまで戦力になるかなど不明だからな」

ー隊士にはまだ俺の進退について伝達が回って居ないのか。それもまたお館様のお考え、か?

杏寿郎が様子見とされたのは随分前だ。柱合会議から既に二週間近く経っているが、鴉の伝達は通常の文より早いものであるにも関わらず進退について隊士間で囁かれているのは不思議だ。そうなれば、そもそも伝達がされていないということになる。

雅「…引退されるのですか?」

雅雄は真剣な瞳で杏寿郎を見つめている。その目に杏寿郎は誤魔化そうとしていた自分を抑え、ゆっくりと首を横に振った。

煉「俺の進退は既に決まっている。柱として責務を全うできるか否かの様子見となった。しかしそれが隊士に伝達されていないのは、お館様のお考えなのだろう!朝霧少年、君だから誤魔化さずに言ったが他の隊士にはくれぐれも内密にしておいて欲しい」

雅「様子見?では今後も任務には参加されるのですね。…お館様のお考えなら俺の口から話す事は出来ません、内密についてももちろん約束致します」

ホッとした表情の雅雄に、それ程心配してくれていたのかと杏寿郎は少し気持ちが温かくなる。しかし、次いだ雅雄の言葉にそれは大きな誤解だったと思い直すことになった。

雅「それで、いつ俺と手合わせをしてくださいますか?月奈の前ではするなと胡蝶様から言われたので俺はずっと我慢しているのですが」

煉「よもや、そっちの心配だったか。手合わせならいつでも受けよう。どうやっても月奈は渡さないがな!」



屋根の上では、まるで火花が散っていそうな雰囲気で話をしている中、部屋では清花が月奈の相談に乗っていた。

清「…なるほど。確かに女の子である以上気になることよね」

そう呟いた清花の目の前には、着物をはだけさせた月奈。背中の傷や肩の傷を目にした清花は、月奈が杏寿郎に壁を作っている理由が分かった気がした。
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