第18章 任務
「風柱様は別の地での任務に就いていたのでは?片付いたということでしょうか」
多分な、と後藤は頷きながら隠が集まる場所へと歩いていく。隠は日常でも宿舎で集団生活をしている、野宿も勿論固まって行動することが多い。
(もし鬼に襲われたとしても、数が居れば剣士が到着するまで対抗できるから、と最初に教えられたわね。日中ならば鬼について考えなくても良いと思ったりしたけれど…)
今回の任務地は雑木林だ。少し深い所に入れば日が遮られる為、日中であっても注意を怠ることはできない場所であることには間違いない。
「風柱様がいらっしゃるなら、今日で任務は終わりそうですね!さすがに四日目には突入したくありません…」
後「俺もそう願ってるわ。とりあえず夜に備えて仮眠しようぜ」
煉「不死川?今なんと?」
実「…だからよォ、これだよこれェ」
煉獄家の玄関で実弥は困ったように、自分の横に立つ月奈を指差す。しかし、指し示す位置がいつもよりも低い。
実「一応、胡蝶には診て貰ったけどよォ。隠含め他の隊士も数人同じ症状が出ているが、数日で元に戻るだろうって話だァ」
煉「血鬼術とはこのような物もあるのか!こうなってしまっては刀も振れまい!皆無事で良かったな!」
「申し訳ありません実弥様…」
すっかり肩を落としてしまった月奈は、ここまで付き添ってくれた実弥に御礼を述べる。術を使った鬼は実弥の手により首を切られている為、数日で血鬼術の効果は切れるだろうとしのぶの診断が下りた時は本当にホッとした。
「目くらましの鬼とは別にもう一体居たとは気付かずこのザマで、お恥ずかしい限りです」
溜息をついた月奈は、自身の体を見て更に深くため息を吐いた。手足は縮み、背丈も低くなってしまった月奈はまるで子供のように見えるだろう。
(視覚的には、15cm程縮んでいるかと予想はしたけれど…二人の表情を見ようにも首が痛い)
普段ならば難なく見上げることができるが、およそ145cmの身長では、177cmと179cmの二人を見上げるにもかなり上を見なければいけないので首が痛くなる。
実「まァ、ゆっくり休め月奈。後は頼むぞ煉獄ゥ」
煉「うむ!不死川も任務が終わったばかりで別任務大変だったな!月奈のことは任せておけ!」