第4章 行く先
「あ、あの…」
柱って…と聞こうと口を開いた瞬間
煉「ところで、その様子だと記憶は戻ったようだな!ちなみに何故ここにいるか…分かっているか?」
し「あらあら、煉獄さん。単刀直入すぎてビックリです。もう少しオブラートには包めないのでしょうか。…月奈さん、ご気分はいかがですか?」
やや怒りを滲ませた声が入口から聞こえる。
「あの…その、大丈夫です。…本当にお恥ずかしいところをお見せしてしまい申し訳ありませんでした!」
ベッドの上で額を付けて土下座をする月奈の耳は真っ赤になっている。
突然の土下座に3人は驚いて声にならない様子。
「記憶が戻るまでの間も、きっとご迷惑をお掛けしたのだろうと思います。ましてや、助けてくださった鬼狩り様には感謝こそすれ…死なせてほしいなどと失礼なことを…。それに煉獄様については赤子のように泣きついてしまい…お恥ずかしい限りでございます!」
し「あぁ…気にする必要はありませんよ。ひとしきり泣いて落ち着いてくださったのなら、それで良いのですよ」
煉「うむ!俺も気にしていないぞ!元気になったのならそれで良い」
ニコリと眉を下げて笑う煉獄に、月奈は顔を真っ赤にして俯く。
(ぁぁぁあ...女の身でありながらしがみついて泣くなど。なんてふしだらなことを)
穴があったら今すぐ入りたい。
良家の子女として、嫁入り前の娘がなんと恥ずかしいことをしてしまったのだろう…