第4章 行く先
「…ん…」
窓から入り込む朝日で月奈は目を覚ました。
寝起きで働きが鈍い脳をフル回転させて、昨日何をしたか徐々に思い出されてきた。
みるみる顔が赤くなって行き慌てて体を起こした。
煉「よもや!?水橋少女!どうしたのだ!」
ア「月奈さん!?大丈夫ですか、何かありましたか!!?」
傍らには、どこを見つめているか分からない炎のような双眸を持った男がいる。
扉を思いきり開け放って飛び込んできたのはアオイだ。
「わぁっ!!?………アオイさん、こちらの方はどなたでしょう…?」
口角を上げて間近でじぃっと見つめられながら、視線だけアオイにむける。
問われたアオイは煉獄を見て少し引いている。
ア「こちらの方は、鬼殺隊の柱の一人、炎柱の煉獄杏寿郎様です」
煉「うむ!煉獄杏寿郎だ!水橋少女!」
鬼殺隊…柱…炎柱…
その名称に月奈は覚えがない。
しかし、似たようなものは聞いたことがある。
「もしかして、鬼狩り様…でしょうか?」
ア「えぇ、そうとも言われていますね。それはご存じなのですか?」
聞いたことはあった。家族から稀血の話をされた時に、鬼から人間を守ってくれる組織があると。
「父様から聞いたことがあります。その組織が鬼殺隊…?」
煉「うむ!政府非公認の組織がゆえ、鬼殺隊という名称はあまり広まってはいないのかもしれないな!鬼狩りでも間違いではないな!」
「なるほど」