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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第17章 生家



分からないように気付かれないように行動していたつもりだが、師範である長谷の目を誤魔化すことは出来なかったようだ。

煉「長谷殿はこの家に出入りしていた植木屋の蒼樹をご存知か?」

「杏寿郎様?」

師「蒼樹?あぁ、植木屋の倅だね。…あやつを知っていたら何かあるのかい?」

終始穏やかだった瞳が少し細められ、是と語る長谷に杏寿郎は「いえ」と答え話を終わらせ月奈はホッと胸を撫で下ろした。

(まさか師範に蒼樹の事を聞くとは思わなかったわ。でも、師範に蒼樹の何を確認するつもりだったのかしら…)

煉「月奈、そろそろ日が傾く。じきに出発しよう!」

師「おや、もうそんな時刻かい。私もそろそろ帰らないとな」

夜は鬼が出る時間だと全員が分かっている。これ以上話込めば日が暮れてしまうだろうと全員が立ち上がると、月奈は自室へと持ち帰る物を取りに部屋を出て行った。

師「さて、煉獄君。蒼樹が何かしたのかい?」

月奈とは反対方向、玄関へと並んで歩きながら長谷は問うてくる。

煉「月奈を想うあまり、鬼となり血肉の一部を喰いました!」

長谷は、その傷だったのか。と肩を庇っている仕草を見せた月奈を思い浮かべる。ふと視線を上げ、前を真っすぐ見据えて横を歩く杏寿郎を見やった。

師「煉獄君は月奈君を大切に思ってくれているようだ。あの子と蒼樹についても何か聞いているみたいだね、君のその怒りは消化できそうかい?」

ー俺もまだまだ精進が足りんな、気付かれていたのか。

煉「蒼樹という鬼は月奈が斬首したと報告を受けました。その時俺は負傷していたので任務には就けず月奈の帰還を待つだけの情けない状況でしたので、怒りの消化には時間がかかりそうですね!」

師「それは確かに時間がかかりそうだ。しかし、月奈君が自身の手で決着を付けたというのは正直驚いたよ」

煉「何故でしょう?」

「兄のように慕っていた私自身では何も出来ないと?」

背後から声が聞こえ、二人は慌てて振り向く。月奈は苦笑している。

「お二人とも私の気配に気付かないとは、それ程に夢中でお話されていたのですか?師範は蒼樹のことご存知ですから、いつかは話すつもりでしたが…」

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