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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第15章 覚悟の始末方



宇「煉獄、月奈から報告を受けただろ。植木屋が鬼になっていたと」

煉「あぁ、しかしケガについては宇髄からの連絡で知った。首を切ったと聞いた時点で清花には鴉を飛ばした。しばらく動きが無かったことを怪しんではいたが…こんなことになるとは!」

凄まじい怒気が杏寿郎の体から放出され、雛鶴達は青褪めている。普段の快活な杏寿郎の姿しか知らない嫁達は、怯えて当然だろう。

し「煉獄さん、怒りを抑えてください。宇髄さんの奥方達が怯えてしまっています」

呼吸を大きく何度か繰り返した杏寿郎は落ち着きを取り戻した様子ですまん、と謝った。

宇「胡蝶に詳細をどう話すか考えていたところだ。植木屋の話は俺と煉獄、それと清花しか知らない話だ。俺の口から話すのは違うような気がしてな」

煉「…俺から話してもいい物でもなさそうだが」

しばらく悩んだ杏寿郎は、植木屋とは月奈に懸想を抱き執着する人物であることを話す。

し「…その男のせいで月奈の生家が襲われたと?」

ま「許せない。自分都合で月奈の家族を殺したなんて…」

全員が怒りを感じても、それはやり場のない怒りとなる。鬼となり日輪刀で滅殺された植木屋、それも月奈の手で殺されたのだ。

煉「愛した女に殺されてさぞかし満足しただろうな。別の人間に殺されればいいものを…」

この場に植木屋が居たならば、それは残酷な殺され方をされるだろう。誰もが一撃では殺さない。生き地獄を見せてやりたい気分だ。

部屋の不穏な空気にアオイは少し躊躇してから、扉を叩きしのぶに準備ができたことを伝えると、少し空気が穏やかになった。

し「ありがとうアオイ。さて、皆さん月奈に会うのに物騒な顔はやめておきましょう」

ニコリと普段の笑顔を見せるしのぶに、全員が溜息を吐いて怒気を隠す。アオイはその様子を目の当たりにして驚いた。

ーあれだけの怒気を隠すほどの精神統一。これが柱。

柱ももちろんだが、天元の嫁三人も感情を抑えている。くのいちは精神統一の訓練も受けているのだろうか。



し「月奈。煉獄さんが到着しましたよ」

額から目元を濡れた手ぬぐいで覆っている月奈は、布団から出ている左肩から手首までが包帯に覆われ、荒い呼吸を繰り返している。
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