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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第15章 覚悟の始末方



「天元様!そんな…!」

ま「月奈!あんた、その傷!」

隊服の下に来ている白の開襟シャツは血に染まり真っ赤になっている月奈の姿に、天元の傍らに寄り添っていたまきをが声を上げる。

宇「おぉ、月奈。隠のお前がなんでそんな派手な怪我してんだ?」

須「月奈ちゃん!!?とにかく止血をしないと!失血死しちゃうわよぉ!」

駆け寄った須磨は、さすがくのいちと言ったところで慣れた手つきで肩と腕の止血をしてくれる。傷の状態を見た天元は「噛まれた傷か?」と覗き込んで、雛鶴に顔を明後日の方向に曲げられている。

雛「天元様、女人の肌を簡単に見てはいけませんよ。月奈、それは鬼にやられたの?」

「傷だらけの体ですから見ても良い事はないですよ」

苦笑した月奈は、ハッとその鬼について天元に植木屋が鬼になっていたことを話す。その際についたこの傷について杏寿郎には黙っていて欲しい事も。

宇「いやいや、その傷はさすがに隠せないだろ!?派手に血の匂いさせて、絶対煉獄も気付くだろうが!」

ま「どうして煉獄様には秘密にしたいの?」

「さすがに植木屋に付けられた傷だと分かったら怒るでしょうから。悲しませてもしまいそうですし…」

隠だから前線に立つな、ずっと皆から言われていたこと。今回は特例だが、刀を持たない人間が鬼と戦うことは本来出来ないのだ。いや、してはいけないという方が正しいかもしれない。

宇「あぁ、植木屋からの傷か。そりゃ煉獄は派手に怒りそうだな。俺にも火の粉がかかりそうだな」

「それに傷は服で隠れます。とにかく傷が早く塞がって出血が無くなれば良いのです!」

そう話している五人の元に、縞々の羽織をまとった人物が現れる。声を掛けられるまで気配はおろか足音すら聞こえなかった月奈は驚く。

小「宇髄、この状況はどういう事だ。たかが上弦の陸との戦いで左目と左手を失って。復帰までどれくらいかかる」

「よぉ伊黒!俺は引退する、さすがにもう戦えねぇよ」

随分絡みつくような話し方で天元を問い詰めているのは蛇柱の伊黒小芭内だ。蛇柱を拝命している通り、首には白い蛇が巻き付きこちらを見ている。

(白蛇というと幸運の象徴だったかしら?幸福を運んでくれる、だったかな)
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