第14章 未知*
煉「あぁ、愛いな…本当に」
「ひっ…!」
耳を甘噛みされ月奈の体が跳ねると、杏寿郎は舌を耳に這わせていく。
「んっ…ぁ、耳は…っ」
煉「…遊廓の時も反応が良かったな。敏感な耳だ」
水音と杏寿郎の声が混じって更に感覚が研ぎ澄まされていく。背中をゾクリと這うのは快楽だ。
「ん…っ!ふぅ…」
杏寿郎の胸で声を殺す月奈は目をきつく閉じて快楽から逃げようと身を捩るが、しっかりと回された杏寿郎の腕が逃がさない。杏寿郎は、少しずつ快楽に呑まれていく月奈を一気に落とすように這わせていた舌を耳の穴に捻じ込んだ。
「んぅう!!!あぁっ!」
瞬間に体が一際大きく跳ねた。
背中に回っていた腕から力が抜けてしまい月奈は横抱き状態で乱れた呼吸を繰り返す。
煉「耳だけでこれか。先が思いやられるぞ」
「…ん」
一度達した体は、優しく頬に落とされる口付けすら快楽に変わってしまう。唇を重ねると乱れた呼吸が交わる、感じていく月奈の姿に杏寿郎もまた煽られていく。
煉「月奈…」
「杏…寿郎、様…」
唇を重ねては離してを繰り返す。熱を持った体をこのまま最後まで解放したいと思う自分を必死に抑え込むように、月奈の体を強く抱きしめて息を吐いた。
煉「……少し休め。無理をさせたな」
そう言うと、月奈の体からゆっくりと力が抜けていく。眠りに落ちたことを確認して自身も目を閉じた。