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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第14章 未知*



「はい。えぇと、何か問題がありましたか?勿論全てお断りするつもりです」

槇「いや、断ることに問題があるのではなくてだな。月奈と杏寿郎が交際していることを周知すれば全て収まるんじゃないかと思ってな」

「…鬼殺隊内に周知するということですか?」

煉「俺は構わんぞ!」

途端に月奈の表情が曇る。その手段はあまり気が進まないのだ。

「仕事は仕事としてやっていきたいというのが私の考えです。公私を混同していては、任務が疎かになってしまいそうですから」

それに、現在は婚約でもないただの恋仲だ。
婚約もしくは婚姻関係を結んだならばお館様への報告も上げなければいけないだろうとは考えているが、まだその段階ではないとも思う。

槇「しかし、それでは今後も釣書に悩むことになるぞ?」

「それについては、先ほど良い考えが浮かびましたので大丈夫です。婚約者がいるという理由を文に書くつもりですから」

相手が分からなければいいのだ。婚約者がいる者に横恋慕をする人間は余程の事が無い限りいないだろう。

煉「なるほど!婚約者がいるとなれば縁談の申し込みは無くなるな!確かに恋仲では些か理由が弱いな」

「後は噂が回るようになれば完璧ですよね、誰にも迷惑がかかりません」

ニコリと微笑んだ月奈に、本人がそれでいいならと槇寿郎は納得する。最後にもう一つなんだが、と言われ月奈は「はい」と頷いた。

槇「その、二人が蝶屋敷で治療を受けている時に文を預かっていてな」

その言葉に千寿郎がハッとした表情で槇寿郎を見ている。心なしか顔が青くなったように見えた。

煉「文ですか?誰宛の物を?」

どうやらこの話に関しては杏寿郎も初耳だったようで、首を傾げている。勿論月奈も心当たりが無く首を傾げる。

千「兄上宛でした。ただ送り主が…」

チラリと千寿郎から視線を向けられた月奈は増々訳が分からなくなる。私に知られては不味い人間からの文ということだろうか、と。

槇「この二通なのだが、花街の〔ときと屋〕の清花という者からだ」

煉「よもや!清花からか!」

机に並べられた二通の文に手を伸ばした杏寿郎は、その場で開いて読み始めた。槇寿郎と千寿郎は青褪めて月奈を見ている。
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