第3章 崩壊
片時も離れず、傍にいる胡蝶の顔色は優れない。胡蝶まで倒れられては困る。
煉「胡蝶、少しばかり休んだ方がいい。顔色が良くないぞ。それに患者は水橋少女だけではないのだろう。先ほどから神崎少女はもちろん蝶屋敷の人間は皆様子を伺っていたぞ」
し「ですが…月奈さんは、目覚めては錯乱して、の繰り返し。私が居ないと鎮静剤も打つことはできません」
煉「うむ、胡蝶の言う通りではあるな。ただ鎮静剤を打ち続けても何の解決にもならないのだ。水橋少女の細腕をこれ以上傷つけるのは可哀そうだろう?」
しばらくは俺だけで対処可能、少し体を休めてくるといい。そう言って、病室の扉を開くと3人の小さな少女が立っていた。
煉「少女達、すまんが胡蝶を休める所へ連れて行ってはくれまいか?どうも疲れているようでな」
目線を合わせるように屈み、眉を下げて笑う。
「「「はい!いいですよ!!!」」」
元気な声でそろって返事をする、3人の少女の頭を撫でてやると、部屋から胡蝶が出てくる。
し「煉獄さん、なにかあれば呼んでください。それまでお言葉に甘えて少し休ませて頂きますね。…それじゃあ行きましょうか3人とも」
煉「うむ、任せておけ」
3人を連れて廊下を歩いていく胡蝶の後ろ姿を見送って、再び煉獄は病室に戻った。