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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第12章 失ったもの



「え!そうなんですか!?」

し「先ほどお知らせがあると言ったでしょう、この事です」

部屋に連れて行って驚かせたかったのですが、と悪戯に笑うしのぶに月奈は頬を膨らませる。

し「先に教えたら走って行きそうですからね。月奈もケガが酷いのですよ」

うっ、と自分でも行動の予想が付いて何も言えず黙ると、しのぶが千寿郎に病室まで月奈も一緒に連れて行くように話している。どうやら患者の検診時間のようだ、しのぶを探す声が廊下の向こうから聞こえてくる。

千「では、兄上の病室にお連れしますね。月奈さんも無事に戻られて良かったです!」

「お願いします。まだ右目だけでは歩きづらくて…」

槇「それはそうだろう。蝶屋敷でゆっくり養生しろ、しばらくは任務がないだろう」

千寿郎の腕に捕まっている月奈が、ハイと頷いて苦笑いをした。今の自分はとても任務に出られない程のケガを負っているのだと改めて感じる。

「左目の傷が治れば任務にも出られるのですが、完治までは待機だと言われました。しかし、先ほど振っただけで痛んだ腕も中々に治り辛そうです」

大人しく治療に専念してくださいね?と千寿郎に念を押され月奈は不服そうな表情をする。なにせ大人しくしていられない、部屋から出てもいいとは言われているが歩行に不安がある内は出たくても出られないから余計に暇を持て余してしまう。

「早く目の包帯が取れて欲しいです」

大きなため息をついて、不満を漏らす月奈に槇寿郎と千寿郎は目を合わせる。包帯が取れたら大人しくしているつもりが無いと言っているようなものだ。

千「兄上!千寿郎です。失礼しま...」

病室の扉に向かい声をかけると、入室を促す声が聞こえる前に何者かの手により扉が開いた。突然開いた扉に千寿郎は勿論槇寿郎も月奈も驚いた。

煉「父上!千寿郎!月奈も来てくれたのか!」

三人は扉に手をかけて立っている杏寿郎に驚きしばし放心状態になったが、ハッと千寿郎が気付いて声を上げる。

千「兄上!?どうして体を起こしておられるのですか!しかも歩いて扉を開くなんて…絶対安静なのでは!?」

千寿郎の言葉に月奈もハッとする。
昏睡から目覚めてまだそれほど経っていないのに、起き上がって動けていることがおかしい。
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