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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第11章 再会



後「お、おい水橋!大丈夫か!?」

しっかりしろ、と背中をさすられる月奈。その姿を炭治郎達と一緒にいる雅雄が気付いた。

雅「…月奈?…あぁ、炎柱様のせいか」

炭治郎は杏寿郎に待機命令をされ、伊之助に関しては桁違いの戦闘能力に圧倒されている。雅雄も伊之助同様に圧倒されていたが、杏寿郎が劣勢になっていくのを立ち尽くして見ている自分が嫌になっていた。

雅「剣士の俺が戦わないと、だよな」

ー付け入る隙が一瞬でもできれば、腕の一本位は切り落とせるかもしれない。でも、その隙が出来ない。

雅雄は何も出来ない自分が悔しくて刀を持つ手に力がこもる。その時、杏寿郎が呼吸を整え刀を肩に担ぐように構え直した。

煉「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!」

ビリビリと空気が揺れる程の気迫を放つ杏寿郎は、とても手負いの人間とは思えない。木陰で茫然としていた月奈にも杏寿郎の声が聞こえ顔を上げた。

(杏寿郎様はまだ諦めていない。相手の気を一瞬でも逸らせたならば、勝機が見出せるかも…)

後「おい…水橋?お前何する気だよ!?」

隣で目の包帯を外し、手甲鈎を片手に装着するや否や木陰から鬼に向かって走り出していった。後藤の声は月奈には聞こえていない。

木陰から飛び出してきた人影を見て、雅雄も走り出す。
月奈を守る為でもあるが、鬼に対して向かっていくということは何か考えがあるのだろう。雅雄は隙が出来るかもしれないと考える。

雅「まったく、無茶をしますね月奈さんは」

ー俺も一緒か。炎柱様に怒られるかな。

いくらでも怒られよう。生きて帰らなければ怒ったり怒られたりなんていう平和な明日は無いのだ。今できることをしなければ明日は後悔しかないのだ。

猗「素晴らしい闘気だ!…やはりお前は鬼になれ杏寿郎!」

この状況でも楽しんでいるように笑う鬼に対して月奈は嫌悪感を覚えた。見開いた左目は血のせいで真っ赤に染まっている。瞼からの出血はまだ止まっていない、ならば鬼も気付いてこちらに気を向けるはず。

月奈の足では双方がぶつかる前に割って入ることは無理だと分かっている。しかし少しでも近づかなければ血の匂いが周囲に散ってしまうだろう。

(せめてもう少し近くに…!)
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