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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第11章 再会



つい伊之助の顔をまじまじと見つめていた月奈は、着物の袖が引っ張られていることに気付いて視線を向ける。視線が合った禰豆子は月奈の腰に抱き着いてきた。

禰「むー!む!」

「ね、禰豆子ちゃん?突然はやめて欲しいです、心臓に悪いので…」

やはり鬼なのだ、長い爪に赤みがかった瞳、何より抱き着いてきた時の衝撃は想像したよりも重い。月奈は小さな禰豆子に視線を合わせるようにしゃがみ込むと「さっきはごめんね」と頭を撫でた。

炭「あ、こら!伊之助!」

伊「月奈!俺と戦え!」

「はぁ!?なんで隊士同士で…というかそれは隊律違反なのでは?」

組手なら問題ねぇだろ!と鼻息荒く近寄ってくる伊之助に呆れる月奈。間に禰豆子が割って入ってきたので伊之助は「どけ!」と声を張り上げた瞬間、禰豆子の体が大きく成長した。

「な!?…え?禰豆子ちゃん?」

「むー」

炭「伊之助いい加減にしろ!明日の任務の為に体を休めなきゃいけないんだ、もう寝るんだ!」

善「ねぇずこちゃぁぁぁん!!」

炭「善逸!こら!」

炭治郎に羽交い絞めにされた伊之助と、顔をデレっと崩した善逸、最早なんとも言えない状況になってきた室内に月奈は自分と変わらないくらいの背丈になった禰豆子に話しかける。

「禰豆子ちゃん、私…そろそろ部屋に戻るね。付き合ってらんない…」

「む…むー…」

少し寂しそうな表情で手を振る禰豆子に申し訳なくなりながらも、明日の任務に障ると困るので月奈は静かに部屋を後にした。

翌朝、若干の寝不足を感じながらも体を起こして部屋を見回す。いつもと違った見慣れない部屋に首を傾げた。

(そうか、藤のお屋敷か。最近は独りで過ごす事なんてほとんどなかったから変な感じ)

昨日の出来事を思い出すと、今日の任務が不安になってくる。雅雄と杏寿郎、そしてあの四人、全て揃ったらなんとなく面倒なことになりそうだ。

「…まぁ、私は別動隊だから放っておこう」

隠で良かった、とこの時心から思ったことは間違いない。
そう考え直すと、憂鬱な気持ちも消えて気持ちの良い一日になりそうな気がするから不思議なもので、意気揚々と着替えて出発の準備を行う月奈だった。
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